医療・歯科・介護福祉業界の経営支援に強い大阪の公認会計士・税理士事務所

こんにちは。大阪市中央区、日本クレアス税理士法人大阪本部　愛甲　です。
厳しい暑さが続く毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、本日は、クリニック経営における職員の採用・育成についてお話したいと思います。

近年、医院・歯科医院のスタッフの求人競争は日に日に厳しくなっており、様々な業界の中でも人の動きが激しくなっている市場の一つです。そんな中、職員を採用し、即戦力として投入することは、非常に場当たり的なものとなってしまいがちです。職員が医院の一員として確固たる労働の意識を持っていなければ、場合によっては院長の意志に反する行動をも取りかねません。長く、そしてより良く働いてもらうには、当該医院の職員としての基本姿勢や規範、モラルなどを予め示し、十分な理解をはかった上で就労させることが大切です。
そのためには、下記のような意識を持って職員育成にあたることが重要となります

１　医院の方針、理念の徹底
100の医院があれば100の方針なり理念があります。仮に前職で医院勤務の経験を持つ方が新たに入職したとすれば、その方は院長先生が自らの方針や理念を示さない限り、前職の習慣等を維持したまま働くこととなります。まずは院長先生による基本方針、理念の徹底が重要なポイントとなります。

＜院長の経営理念例＞
1. 奉仕の精神で患者さんに臨むこと
2. 患者さんは「お客さま」との認識でいること
3. この地域における「よき健康相談相手」となりたいこと
4. 上記が結果的に収入増となれば職員にも還元したいこと
5. 厳しく、楽しく仕事を続けていきたいこと
6. 職員をよき仲間と信じ、診療に専念したいこと
7. 業務上の提案があれば何でも言ってほしいこと

たとえば上記のような各項目に対し、院長先生はひとつひとつ丁寧な説明を加えるながら指導することが大切です。その際、理念そのものが単純・当然のことであっても、「読んでおくように」と言うだけの指導ではなく、必ず、説明を行わなければなりません。院長先生が少しでも自ら言葉を贈ることの効果は、100回黙読させる効果よりも高いはずです。

２　帰属意識の醸成
帰属意識とは、いわば民間企業における愛社精神であり、また当該医院に勤務することへのプライドを育てることです。さらには、業界の厳しい競合下における競争意識の醸成も必要となります。これらも院長先生自らが「教育」すべきものですが、場合によっては院長先生が言いにくいこともあるかもわかりません。その場合は、他の医療担当者からの代弁も必要となります。
いずれの場合にあっても以下のような項目について徹底すべく、医療担当者は指導せねばなりません。

＜帰属意識とは？＞
1. 医院経営において院長と職員は運命共同体であること
2. 他院に対して良い意味での競争意識を持つこと
3. 医院に愛着を感じること
4. 院長を信頼し、安心して業務に励むこと
5. 当医院の職員である事実に誇りを持つこと

３　経営環境に対する認識
また、スタッフに経営環境について理解をはかることも重要です。これが欠けてしまうと、例えば「いくら頑張ってもお給料は同じだし…」「それなりに働いていればクリニックは潰れないから大丈夫」などという誤った認識によって、勤労意欲が損なわれてしまいます。

＜経営環境に対する認識とは？＞
1. 他院との競争は常に行われているということ
2. 最低〇〇名の患者が来なければ経営は赤字であること
3. 医業・歯科医業は患者からの評判で経営が大きく左右すること
4. 経営が成功するかどうかは、職員個々の努力にかかっていること

最後に、これらの内容を伝える際のポイントについてお話させて頂きます。
上述したような各ポイントをそのまま読み上げる、または恫喝するように伝えてしまっては、職員はかえって萎縮するばかりです。極端な例ではありますが、「私も新米ですが皆さんと一緒に精一杯がんばります」くらいの姿勢を示しながら、それぞれのポイントを柔らかい言葉で訴えれば、職員の共感は間違いありません。初動部分での団結は極めて重要であり、必ず実行しなければならない部分です。「先生を応援しよう」という風土の醸成が患者の満足感を引き出すこととなり、結果的に医院繁栄に繋がるでしょう。

以上、歯科医院・医院における職員の採用・育成についてでした。
究極の理想はきっと、院長先生と同じ目線・同じモチベーションで働いて頂くという形でしょう。ですが、先生とスタッフは、収入も違えば生活環境も持つスキルも違う、全くの他人なのです。その他人同士がしっかりと歩み寄り、お互いにストレス無く良い環境で働くために、是非上記のような内容を実践して頂ければと思います。

もちろん、職員採用・育成の面でも日本クレアス税理士法人大阪本部　医科・歯科プロジェクトはご支援をさせて頂きます。どんな些細なお悩みでも、お気軽にご相談ください。