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クリニックニュース 2014年5月7日号

2014/5/14

在患訪問診療料2の別紙様式14は患者毎、訪問毎にレセ添付
《平成26年度診療報酬改定情報・疑義解釈その4、5》

厚生労働省は4月23日と5月1日に平成26年度診療報酬改定における疑義解釈資料のその4、その5を公表した。平成26年度診療報酬改定では、在宅患者への訪問診療等について不適切事例の適正化が図られ、中でも「在宅患者訪問診療料」は、保険医療機関等が経済的誘引による患者紹介を受けることを禁止した上で、訪問診療料の要件が厳格化され、同一建物における評価が引き下げられた。算定要件として、①訪問診療を行った日における当該医師の在宅患者診療時間(開始時刻と終了時間)、診療場所及び診療人数等について記録し、診療報酬請求書に添付する。また、「在宅患者訪問診療料2」の「同一建物居住者の場合」を算定する場合は、別紙様式に記載のうえ、診療報酬明細書に添付すること、②訪問診療を行うことについて患者または家族の署名付の同意書を診療録に添付すること ――等が加わっている。この要件についての疑義解釈として、▼署名付の同意書については、各医療機関で作成し同意を得ること、▼別紙様式14「訪問診療に係る記録書」について、主治医氏名の欄に「印」を押すこととなっているが、電子カルテの場合は押印は必要ない、▼在宅患者訪問診療料2を算定する場合に記載する別紙様式14については、患者毎かつ訪問毎に診療報酬明細書に添付する必要がある、その際、電子請求を行う場合は別紙様式14のとおりの内容を症状詳記に記載すること、▼症状詳記の記載例については、平成26年3月26日保医発0326第3号「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(平成26年4月23日付一部訂正)を参照すること。症状詳記の記載例については、同通知において※訪問診療に係る記録書、※患者氏名、※要介護度、※認知症の日常生活自立度、※患者住所、※訪問診療が必要な理由、※訪問診療を行った日、※患者氏名(同一建物居住者)、※診療時間(開始時刻及び終了時間)、※診療場所、※在宅患者訪問診療料2、往診料の算定について、※診療人数合計、※主治医氏名 ――の明記が挙げられている、▼医師が1日に複数の同一建物で診察した場合、別紙様式14については訪問診療を行った患者が居住する建物の患者のみを記載することで差し支えない。その場合は、それぞれの同一建物ごとに在宅患者訪問診療料2を算定する患者について記載すること、▼医療機関で用いている訪問診療計画等の様式が別表様式14の内容をすべて含んでいる場合は、この様式をコピーして添付することは可能、▼訪問診療を行うことについての同意書を作成するのは、平成26年4月以降の新規の患者のみではなく、訪問診療を行う全ての患者について必要。ただし、平成26年3月以前に訪問診療を始めた場合であって、訪問診療開始時に同意を得た旨が診療録に記載してある場合には、必ずしも新たに同意書を作成する必要はない ――等、整理された。
その他の疑義解釈としては、「地域包括診療料」について、当該患者の24時間対応は、緊急時の往診等の体制を有していれば、オンコール対応で差し支えないことが示された。また、「地域包括診療料・地域包括診療加算」における施設基準の要件の「敷地内の禁煙」について、患者保護のために禁煙であることを明確にしているにも関わらず、来訪者等が喫煙を行ってしまった場合、単発の事例のみをもって施設基準に適合しないものとはみなさないが、医療機関は敷地内が禁煙であることの掲示と職員および患者に禁煙の遵守の徹底を促し、来訪者にも禁煙の遵守に必要な協力を求めること ――等が明らかになった。

「選択療養」の必要性強調し、再提案
《内閣府・規制改革会議》

内閣府は、4月23日に規制改革会議を開催し、この日は「選択療養制度(仮称)」について取り上げた。現在、国民皆保険制度に基づき、保険外診療と併用した場合には保険診療についても保険適用がなされないことが原則となっている(「混合診療の原則禁止」)。これまでに一部見直しが図られ、国が認めた一定の保険外診療については併用できるとする「保険外併用療養費制度」が導入された。保険外併用療養費制度は、先進医療や治験等の将来の保険導入のためへの評価を目的とする「評価療養」と、差額ベッド費用など患者の選択によるもので保険導入を前提としない「選定療養」にそれぞれ指定された項目のみ、保険診療との併用が現在、認められている。
規制改革会議は、この保険外併用療養費制度の中に、個々の患者が希望する診療について、個別に保険診療との併用を認めるために、現行の「評価療養」「選定療養」に加えて、「選択療養制度(仮称)」の創設を提案。その目的に、▼治療に対する患者の主体的な選択権と医師の裁量権を尊重し、困難な病気と戦う患者が治療の選択肢を拡大できるようにすること、▼そのため、一定の手続・ルールの枠内で、患者が選択した治療については極めて短期間に保険外併用療養費の支給が受けられる、患者(国民)にとってやさしい新たな仕組みを構築すること ――と掲げている。しかしながら、これまでの同会議におけるこの選択療養制度の議論については、安全性の担保が不十分であるとして、日本医師会をはじめ、保険者団体等から反対意見や批判が多数挙がっていた。今回、同会議ではこうした反対意見を踏まえた上で、選択療養制度の手続・ルールを中心に、再提案を行った。
選択療養制度の具体的な仕組みのあり方については、①合理的な根拠が疑わしい医療等を除外(▼以下のいずれの要件にも満たさない〔国際的に認められたガイドラインに掲載されている、一定レベルの学術誌に掲載された査読された2編以上の論文がある、倫理審査委員会の承認を得ている〕、▼代替できる保険診療の受診を経ずに保険外診療が選ばれる ――等)、②患者と医師の情報の非対称性を埋める、③併用することの安全性・有効性を確認、④全国統一的な中立の専門家によって評価、⑤評価療養への移行につながる、⑥「診療計画」等に記載されたデータを有効活用する ――といった安全性・有効性の確認やメリットなどを強調した。
この提案に対し厚生労働省は、「エビデンスがあり、安全性・有効性が確認されたものであれば、直ちに評価療養に進むべき」、「選択療養(仮称)で、実施計画に基づかない個別データを集積しても、治験等の次のステップへ進むために必要な安全性・有効性の判断は困難」「診療計画の内容は、現行の先進医療等でも求められており、患者との情報の非対称性は埋まらない」等の、選択療養制度への疑問を呈し、慎重な姿勢を崩していない。

「雇用の質」向上へ、勤務環境改善マネジメントシステムの活用を
《厚生労働省》

厚生労働省は4月23日、医療従事者の勤務環境の改善に向けた手法の確立のための調査・研究班による「医療分野の『雇用の質』向上のための勤務環境改善マネジメントシステム導入の手引き」を公表した。医療機関等による医療スタッフの確保が困難な状況にある昨今、医療分野の勤務環境の改善により、医療に携わる人材の定着・育成を図ることが必要不可欠である。そのため、快適に働ける職場環境を作ることにより、医療スタッフの健康と安全を確保するとともに、医療の質を高め、患者の安全と健康の確保に資することを目的に作成された同手引き。一連の過程を定めて継続的に行う自主的な勤務環境改善活動を促進する内容となっており、厚生労働省では、その活用を促している。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/quality/houkokusyo.html

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