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特別の利益による是正勧告

2021/9/22

 みなさん、こんにちは。
 日本クレアス税理士法人の田中です。

 今回は、
「特別の利益による是正勧告」についてです。

 令和3年7月1日 行政庁は公益財団法人国際人材育成機構
に対し、是正勧告をおこないました。
 公益法人は、公益法人認定法に基づく認定基準に適合し同法の規定を
遵守するだけでなく、一般法人法の定めるガバナンスに関するルール
に基づき、法人の各機関がそれぞれの役割を果たす必要があります。
 是正勧告とは、理事・監事・評議員等が職務上の義務を違反して
いる場合または法人が一般法人法等に違反すると認められる状態にあるなどの
場合、公益法人認定法に基づき是正するよう行政庁が法人に求めていくこと
を意味します。

 今回の是正勧告の内容は同法人が、前会長の知人が経営する会社に6億円
近くの物品などを優先的に発注し、それが公益法人認定法の定める特別の利益
供与に違反する疑いがあると指摘しています。また事案判明後の役員等の法人
の運営についても不祥事への対応が不十分とされています。
 内閣府はこれを公益認定の取り消しに至り得る重大な問題と捉えています。

 公益法人は不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的として
います。公益法人の財産が一部の役員等、その関係者・関係会社の利益の
ために利用されますと公益法人に対する信頼が損なわれます。
そのためこれを防止するために役員関係者等に特別の利益を与えないことを
公益認定基準として設けています。

 特別な利益供与とは、経済的利益の供与又は金銭その他の資産の交付があり、
それが、社会通念上不相当な場合になります。同法人のような取引以外に
おいても下記取引が該当します。
・土地等の資産を無償又は通常よりも低い賃貸料で貸付
・金銭を無利息又は通常よりも低い利率で貸付
・法人の持っている資産を無償又は通常よりも低い対価で譲渡
またはこの逆で法人が通常より高い金額で他者より借り入れるケースも該当します。

 公益法人の運営にあたっては、このような特別の利益に該当しないかを絶えず意識する必要があります。

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