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クリニックニュース 2014年7月22日号

2014/8/6

「経済上の利益の提供による誘引の禁止」禁止行為の詳細説明
《平成26年度診療報酬改定情報・疑義解釈その8》

厚生労働省は7月10日、平成26年度診療報酬改定における疑義解釈資料のその8を公表した。
今回は、医科、調剤、訪問看護に加え、療養担当規則関係の項目についての解釈が示された。
平成26年厚生労働省令第17号により、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」ならびに「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」が改正され、『経済上の利益の提供による誘引の禁止』が新設された。これは、一部の保険医療機関等において、集合住宅等に入居する患者の紹介を受け、患者紹介料を支払った上で、訪問診療等を行っている事例があったことから、特定の保険医療機関等への患者誘導につながる蓋然性が高く、患者が保険医療機関等を自由に選択できる環境を損なうおそれがある等と問題視され、改正に結びついたもの。具体的に、▼保険医療機関は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない、▼保険薬局は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない ――と明記され、今回の疑義解釈資料において、この新設の趣旨やいわゆる「経済上の利益提供による患者紹介の判断基準」等が以下の通り、詳説された。
改正により患者紹介料の支払が禁止されたが、その禁止行為に該当するか否かについての判断基準については、基本的には、① 保険医療機関又は保険薬局が、事業者又はその従業員に対して、患者紹介の対価として、経済上の利益の提供を行うこと、② ①により、患者が自己の保険医療機関又は保険薬局において診療又は調剤を受けるように誘引すること ――のいずれにも該当する場合は禁止行為としてみなされる。禁止行為に該当すると判断されることを避ける意図をもち、外形的には、例えば、訪問診療の広報業務、施設との連絡・調整業務、訪問診療の際の車の運転業務等の委託料や診察室等の貸借料に上乗せされている場合も考えられ、契約書上の名目に関わらず、実質的に患者紹介の対価として判断される場合は、①に該当すると取り扱われる。このため、保険医療機関等が支払っている委託料・貸借料について、患者紹介の対価として経済上の利益が提供されていると判断される場合は、当該地域における通常の委託料・貸借料よりも高くはないという社会通念上合理的な計算根拠が求められる。また、患者紹介を受けており、保険医療機関等が支払っている委託料・貸借料について、診療報酬の一定割合と設定されている場合は、実質的に、患者紹介の対価として支払われているものと考えられる。同様に、委託料・貸借料について、患者数に応じて設定されている場合は、業務委託・貸借の費用と患者数が関係しており、社会通念上合理的な計算根拠があること等を示す必要がある。集合住宅・施設に入る保険医療機関等を決定・制限することができる者が、保険医療機関等に対して診療又は調剤に必ずしも必要ではない業務委託・貸借を条件として求めている場合は、患者紹介の対価として委託料・貸借料が支払われている蓋然性が高いと考えられる ――。
●地域包括診療料・地域包括診療加算
疑義解釈資料その8において、再診料に係る地域包括診療加算および地域包括診療料の施設基準にある「慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師」について、どのような研修が対象となるのか、との問いに対する解釈が示された。解釈では、「当該研修とは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症及び認知症を含む複数の慢性疾患の指導に係る研修であり、服薬管理、健康相談、介護保険、禁煙指導、在宅医療等の主治医機能に関する内容が適切に含まれ、継続的に2年間で通算20時間以上の研修を修了しているものでなければならない。従って、初回に届出を行った後は、2年毎に届出を行う。また、原則として、e-ラーニングによる研修の受講は認めない」と明記された。

「医療法人等の健全かつ安定的で透明性の高い運営を」と勧告
《総務省》

総務省は6月24日、「設立に認可を要する法人に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」を公表した。民間の発意により特別の法律に基づき設立され、かつその設立に関し行政庁の認可を要する「設立認可法人(学校法人、医療法人、社会福祉法人等)」については、税制上の優遇措置が講じられ、その業務に関して補助金、委託費、交付金が交付され、又は負担金が支出される等、財務面で行政と密接な関係にあるもの多いことから、その運営について、昨今、健全かつ安定的で透明性の高いものが強く求められている。また、平成25年6月14日閣議決定された「日本再興戦略」においても、医療法人や社会福祉法人の財務状況の健全性や透明性の確保について言及されていることを受け、総務省は行政評価・監視を実施し、結果から勧告を行った。
中でも、医療法人については、6地方厚生(支)局に対し、所管する医療法人の中から10法人の任意抽出を依頼し、合計60法人について、平成23年度における財務諸表等の各地方厚生(支)局への届出の状況を調査。結果、事業報告書に予算総会又は決算総会の開催日の記載のないものが7法人、財産目録と貸借対照表とで価額が一致していないものが1法人等みられ、1地方厚生(支)局のデータによると、所管する599法人のうち、財務諸表等の届出のないものが37法人みられている。また、医療法人の各事務所における財務諸表等の備置きについては、今回調査した27法人中20法人で実施されておらず、厚生労働省本省及び地方厚生(支)局が、医療法人における財務諸表等の備置きの状況を把握していなかったことが明らかになった。総務省は、厚労省に対し、医療法人等の財務諸表等の届出やディスクロージャーの徹底による健全かつ安定的で透明性の高い運営の確保を図る観点から、▼医療法人及び社会福祉法人に対し、財務諸表等の届出について、届出期限、添付書類及び届出書類の記載事項に関し、関係法令等を遵守して行うよう、所轄庁を通じて改めて指導すること。また、所轄庁に対し、届出内容の点検を的確に行うよう指導すること、▼医療法人及び社会福祉法人に対し、関係法令に定めるディスクロージャーを徹底するよう、所轄庁を通じて改めて指導すること ――の措置を講ずる必要があると警鐘を鳴らした。

記名のスタンプ利用は可能、押印省略は不可
《厚生労働省》

厚生労働省は7月17日、保険局医療課から地方厚生(支)局医療課等に向け、「処方せんへの保険薬剤師の記名の取扱いについて」の事務連絡を行った。保険薬剤師については、調剤を行った際に、処方せんに署名するか又は姓名を記載し押印することになっているが、
当該薬剤師の氏名が入ったスタンプを処方せんに押した場合は、記名を行ったものとして扱い、記名を別途しなくても差し支えないと明記された。但し、処方せん中に保険薬剤師氏名の記入欄があり、この欄への記名に変えて上記スタンプを代用する場合は、この欄の近くに押し、また、記名に変えてスタンプを利用する場合も、調剤した薬剤師による押印は省略できないとした。

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