別表H作成上の留意点

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別表H作成上の留意点

公益社団法人、又は公益財団法人は、年に2回、定期提出書類を提出する必要があります。提出する書類にはいろいろなものがありますが、その中でも認定申請時には無かった別表Hには特に注意が必要です。

別表Hは、公益目的取得財産残額を計算する資料になります。公益目的取得財産残額は、その金額のすべてを最終的に公益目的事業のために使うことが求められている財産です。もし、公益認定が取り消された場合、その額に見合う金額を国や地方公共団体、同じ目的を持つ公益法人等に寄付しなければなりません。その一方で、当該事業年度の計算額を翌年度に繰り越していくため、もし間違った場合、将来に渡って影響するものでもあります。そのため、この計算はとても重要なのですが、多くの法人様で間違っているというのが現状です。

そこで、公益法人専門である当事務所が多くの法人様のご支援をして得た経験から別表Hを作成する上で、どのような点に気を遣っているのかを整理しました。実際に今どれだけの額が将来の公益目的事業に費やすために残っているのか、しっかり把握するためにも、以下の作成時の留意点をご参考にしてください。

1. 2欄には、前事業年度の1欄を転記する。
2. 3欄~9欄には、公益目的事業で以下の収益がある場合に記入する。なお、別表H(2)から転記する数値もあるため、別表H(2)を作成してから、別表H(1)を作成する。また、指定正味財産に直接計上される収益についても漏れないよう注意する。
  • 3欄…受取寄付金
  • 4欄…受取補助金等
  • 5欄…事業収益
  • 6欄…他会計振替額
  • 7欄…受取入会金、受取会費 
    (注)社団のみ
  • 8欄…基本財産運用益、特定資産運用益 
    (注)1号財産に係る運用益のみ
  • ○○引当金取崩益
3. 3欄から9欄に入らない公益目的事業の収益は、13欄にまとめて記入する。
4. 15欄には、公益目的事業の経常費用計を、16欄~18欄は経常外費用をその内容に踏まえて、それぞれ記入する。
5. 21欄には、当該事業年度の公益目的保有財産の総額を、22欄には前事業年度の公益目的保有財産の総額を記入する。

なお、当事務所がご支援させていただいている先には、別表Hとは別に公益目的取得財産残額を計算するワークシートを提供しています。うっかりミスがあり得る表ですので、当事務所では計算過程を理解した上で別のアプローチから検算するようにしています。別表Hの作成に不安を抱えている法人様は、ぜひ、当事務所までご相談ください。